私は「どんな病気を持つ人も」治しきる力、治りきる力があると信じています。
病気の起こる仕組みも、わかりきるところまでわかる努力をしています。
私にも煩悩・欲望があります。自分と葛藤し、医者の倫理を大切にしています。
★ 患者に害をなすなかれ ★
ヒポクラテスの言葉です。ギリシャ人です。医師の大先輩です。
医者のやりがいをこわすもの、それは患者の苦しみです。
戦後の日本では、一県に一医学部が作られました。
医者は大学の教員となりました。給与の補塡が必要となりました。
アルバイト先に、療養病院は「楽な夜勤病院」となりました。
研修医の給与を、大学が節約することができました。
これに対抗したのが、徳洲会病院でした。
大学に頼らず、自前で医師の研修を行う。そして、一人前の医師の技量が育成されました。
わたしは両方を経験しました。富山大学脳外科で、そして八尾徳洲会病院で。
そして給与のために療養病院でも働きました。
そして、老人のファーミングをみました。人が飼育される牧場の風景とは。
訪れる家族もなく、医師の必要もない。病室のドアからのぞき込む人は恐怖を見る。
胃瘻栄養の敗北。開始する自由はある。しかし結果の憂鬱。
使われない精神・肉体は衰えていきます。
関節は固まり、目の筋肉も動かず、声も出せなくなる人たち。
アウシュビッツの収容所の写真で見た、棒きれのような体。
カラカラと動く栄養ボトルの台車。
看護師は、腹につけられた栄養の穴にボトルのチューブを差し込む。
これは日本の医療の敗北です。このような療養病院が、日本の病院の3割を占めます。
医療費が高い理由を私は知っています。これは国民の不良債権です。
以上は私の私見です。20年間医者をやってきた私がヒポクラテスに向けて、書き残します。
私はそのような病院から、おさらばしました。
2020年、44歳で思い切って、介護・医療の連携の世界へ。
47歳の今、在宅ケアに奮闘しています。
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